見えるつながり

地震から5日。被災地域の皆さんの安全を心よりお祈りいたします。そして、母という同じ立場としてまだお子さんに会えない方が少しでも早くお子さんに会えますように。切に願っています。
この数日間、遠く離れた地にて何もできない歯がゆさを感じるばかりでした。が、遠く離れて状況を見守るしかできないからこそ、地震発生から今までのことを振り返ってまとめてみました。4歳の娘がTVの被害映像をみて怖がるため、情報収集はTwitterがメインになった。見えなかったものもあるかもしれないが、だからこそ見えたものもあるように思う。


地震発生

ちょうどmtg.の最中。座っていた人しか気づかない揺れが始まり、その後なかなかおさまらない。地震の少ないこの地でこれだけ揺れるということは、まさか。TwitterのTL上で「最近は揺れたら『地震だ』ってとりあえずつぶやく。」というツイートをよく見たので、急ぎTwitterにて「地震」で検索。するとTLが滝のように流れていく。そのなかで「宮城 震度7」という文字を時折見かける。ただごとでは、ない。

第1次情報の把握「仙台は大丈夫か!」

仙台営業所の数人の安否が確認できない。電話はつながらない。「かけるのは誰か一本にしようよ!つながらないよ!」「地震のときに電話なんてつながらないよ!回線パンクしてるよ!」「仙台の誰かTwitterやってないの???」 災害の経験値が非常に低い。危機管理の体制が整っていない。
ようやく全員の無事が確認できた。個人の無事が確認できるたびに、情報はひとまず社内イントラに掲載していく。ただ、社内イントラでは被災した、まさに情報を一番必要とする社員には届かない。
この間にもTLの様子は変わり、各地の生の被害状況がつぶやきを通して反映されていく。

非難・救護情報の発信 「ここに泊まれるよ!」「避難所マップはここ!」「AEDマップだよ!」

iPhoneのため、携帯にTV機能はない。また、会社では誰もがTVを見られるわけではない。TVも見られるディスプレイの社員が総務課にディスプレイを移動する。そんな中TwitterのTLはその後の被害状況とともに、避難所マップ、AEDマップなどを知らせるつぶやきが増え始める。そして小中学校だけでなく各種施設や一般の店舗までが帰宅難民のために場を提供し始めている様子を目の当たりにする。


安否情報の確認

「Person Finderを使って!」

これと同時にTwitter上で安否確認の叫びが。そんな中、Googleが迅速に立ち上げた安否確認サイトなどの有益情報を提供しあうようになる。

「堀江さん、お願い!」

そして、ある頃から「@takapon_jp」のリツイートが私のTLの大半を占めだした。多数のフォロワーを持つ堀江氏宛てに送られた安否確認のツイートを堀江氏がおそらくほぼすべてリツイートし始めた。これにより拡散が一気に広まるのだ。

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この頃から、Twitterのつぶやき自粛が始まる。被災地以外のつぶやきはTLに流れない。誰かの貴重なTLを意味のないつぶやきで汚さない。何もできないならば「何もしない、ただひたすら祈るだけ。」もひとつの貢献。誰かが言う訳でもなく広がった思い。

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各種情報の配信

この後は各種の情報の伝達があらゆる人から始まっていく。災害時に1次貢献できる人のツイートが多数を占める。

  • NHK広報の独断 〜NHKのニュースのyoutube配信許可
  • 「#311care」〜非被災地域医療者のTwitter上の相談受付始まる
  • Twitterの使い方 〜偽情報にだまされないように判断基準が
  • 阪神大震災の教訓から 〜防寒方法など様々な具体的なアドバイス

私たちに何ができるんだろう?

私のTL上では日曜日あたりから自粛していたツイートの再開が始まったように思う。そして、この甚大な被害に対して何ができるのかと悩むツイートも増え始める。そんな中でも復興に向けてのツイートが続々と。

「#prayforjapan」

日本の力というものに、涙が出る。
http://prayforjapan.jp/tweet.html

ヤシマ作戦

Twitterから離れている間に節電をお互いに呼びかける輪に名前が付いていた。「ヤシマ作戦」がわからず、夫に聞く。悲壮感ではなく遊び心、勇気、使命感に溢れるものに、これで空気が変わった気がする。誰かのちょっとした行為が。

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救出・医療関係者ではなくとも、自分のリソースを使ってできることをやるべきだと考えさせられる。

佐野元治の詩

http://www.moto.co.jp/

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それでも何もできなかったら。

普通に過ごすこと。

日本を暗くするのではなく、普通に過ごす。いや、普通以上に仕事をがんばり経済を停滞させないこと。

ネット募金をすること。

『電気を元気に』というコピーがあったが、電気を送ることができない地域からは『電気を元気に、そして現金に』だろうか。節電できた分を義援金として送ろうと思う。

子供に不安を与えないこと。笑顔を送ること。

目の前のその子が明日の、10年後の未来を創っていく。ただ側にいて声をかけるだけでもいいんじゃないか。




西日本からはヤシマ作戦に参加して電気を送ることもできない。だとすれば逆に放電するくらいの勢いで、力を尽くすべきなのだろう。今までやってきたことに感謝をしながら同じように。今までやろうと思っていたが踏み出さなかったことに。

Twitterにてリアルタイムで日本国中の奮闘に触れると、見えないつながりが見えるようで、そして力をつけて変わっていく日本を感じる。TVを見ていただけでは感じられない大きな力に、乗り遅れないでおこうと思う。


明日の朝カフェは、今、自分が、会社ができることがテーマ。“pray for JAPAN”から“act for JAPAN”へ。