出産を終えて。

twitterではすでにご報告済みですが、2/1のam7:17、3,288gの元気な女の子を出産しました。陣痛が10分間隔になってから7時間、病院の敷地内に入ってからは3時間のスピード出産でした。twitterでmentionを頂きながらも、個別にレスをお返しできず失礼いたしました。この場を借りて、メッセージをいただきました皆様にあたらめてお礼を申し上げます。
そして今日で出産して3週間が経ちました。予想通り、産後は自分自身の体につきまとうマイナートラブルで家族に泣き言を言ってばかりですが、幸いにも次女は長女のときのようにギャン泣きをしないので、今のところ穏やかに過ごしております*1。5年半ぶりの赤ちゃん。新生児ってこんなにかわいかったのかしらと思いながら日々過ごしております。


さて、ブログタイトルにもかかわらず、しばらくは出産・育児ネタのエントリが続いてしまうかもしれません。ただ、2012年は出産、育児およびこれらに伴う体験が増えることからこれらを通して感じること、仕事に通じることなどを書いていこうかなと考えています。




3週間経ち、あらためて感じること。


今回の出産はまさに「よいお産」だったなぁということです。
5年半前の前回はクリニックにて、今回は大学病院にての出産です。医療施設としての規模が異なるのは当然ではありますが、ハード面ではなくソフト面での満足度が高かったのです。私の場合、前回も今回も薬も器具もまったく使わないまさに自然分娩であり、医療的にはいずれも安産です。でも、「よいお産」かどうかと問われると、今回の方がそうであったと強く感じます。
理由を考えてみるに、やはり医師・助産師との関係が大きいと考えます。今回、よいお産だと感じるのは「安心感」と「コミュニケーション」がポイントでした*2。大学病院のメリットは何と言ってもスタッフの専門性、緊急時の体制。妊娠・出産にはリスクがつきまといますが、大学病院ではたとえ緊急事態が発生しても即座に対応していただけることへの安心感は何ものにも替え難いです。
そして、もうひとつのポイントはコミュニケーション。スタッフ全員が丁寧に話を聞いてくれ、そして状況を的確に説明してくれること。3時間待ち3分診療と言われることもある大病院ですが、妊婦検診はいつも非常に丁寧でした。最後には主治医から「何か気になることはありませんか?」と確認していただけます。また、スタッフが多いために患者によっては当日誰がとりあげるかわからないということが大学病院の不安要素としてあげられるのでしょうが、マザークラスにかなりの時間を割いており、マザークラスを一通り受講するとほぼすべての助産師さんと顔見知りになることができます。このあたりは不安要素への配慮なのかなと感じます。また、経産婦につき、途中から一気にお産が進んだのですが、陣痛逃しから分娩への切り替えのタイミング、分娩室への移動、医師の呼び出し等々鮮やかといえるほど手際がよく、最高潮の陣痛に唸りながらも惚れ惚れしたものです。




入院中、漠然と考えていたこと。
病院の選び方と法律事務所の選び方に共通項はあるのかな。準委任か委任かの差異はあるものの、いずれも委任契約。仕事の完成義務ではなく善管注意義務を負う受任者を選ぶときのポイントは似ているのかな。
医療機関に委任する診療行為も法律事務所に委任する訴訟・交渉等の法律行為のいずれもリスクを伴うものです。今回の出産を通じて、そのリスクを引き受けるのは委任者である自分です。自分自身が結果に対して腹を括れるかどうか、またはプロセスに納得できるかどうかが選ぶポイントなのかなと感じています。
自分自身が腹を括るためには委任者からの各局面でのメリット・デメリットを含む丁寧な説明は必要不可欠です。そしてその説明や受任者を支える組織としてのバックアップ体制を理解して、安心して委任することができます。この点は法律事務所に対して業務を依頼するときも同様であり、依頼に対して契約書等の成果物だけでなくその背景の説明やメリット・デメリットを丁寧に説明してくれ、そこに安心感を感じる法律事務所には再度依頼することが多くなります。
また、企業の法務部は委任契約に基づき業務を行っているわけではないですが、依頼者をクライアントととらえるならば類似する点はあるのではと思います。自分も同様に社内クライアントとコミュニケーションの質も量も高めながら、仕事に対して「こいつに頼んで何かあったとしても仕方がない。」とまで腹を括って依頼してもらえるようにならねば、と感じた入院期間でした。安心感の裏打ちとなる知識や経験は一朝一夕には身につきませんが、まずは依頼者の話、特に不安要素にしっかり耳を傾け、成果物に対して懇切丁寧に説明を行うこと。こちらはすぐに実践しよう。さらに、法務スタッフとしての善管注意義務のレベルというものも見極めていかないといけないでしょうね*3




その前に、まずは目の前の愛しい我が子に丁寧に愛情を注ぎたいと思います。いやぁ、我が子は本当に愛されオーラ満開です。うまれた瞬間から我が子を「美人だ!」と思えた私は只今親バカパワー全開です。

*1:おそらく、私の心境が影響しているのでしょうね。長女のときはわからないことばかりで いつもハラハラ・ヒヤヒヤしていたのでその空気感が伝わったのだと思います。親がオロオロしているとお腹から出てきたばかりの赤ちゃんはそりゃあ不安ですよね。

*2:前回も妊娠検診中に不安はなかったのですが、妊娠40週の集大成ともいえる出産時にスタッフの方々とのコミュニケーションが不十分であったために、状況がつかめないことにかなり不安を感じました。

*3:業務毎に最低限の達成レベルというものを設定すべきなのかな。このあたり、法務スタッフの能力の見極めに際しても必要かなと思ったり。この数年の課題です。