盟友に捧ぐ。

2018年12月6日、愛猫が息を引き取りました。彼女とは17年以上、共に過ごしてきました。
先代の黒猫が急逝してからずっと肩を落としていた私のもとへ、彼女はやってきました。彼女が15歳を超えたあたりから、毎年毎年、1年でもともに過ごせますようにと思いながら、毎年4月の彼女の誕生日を待ち焦がれていました。あぁ、今年も一つ歳を重ねられたね、来年の誕生日も一緒にいようねと思いながら、2019年の4月を待っていましたが、それは叶いませんでした。


どうしてなのかは、何度考えてもわからないのですが、私の人生の岐路には、いつも猫がいます。


就職先を決めたのは、地元に残って先代猫を看取るため。この数年は、会社を休めず愛猫を看取れないくらいなら、会社は辞めても構わないと本気で思っていました。とてもばかばかしいと思いながら、でもどうしてもその思いは拭えないままでした。



親にも、夫にも、娘たちにも見せられない素の自分を、愛猫には見せてきました。
家族であり、伴侶であり、盟友であった彼女。


病名を告げられ、先が想像以上に短いと知ってから、一人になると涙が止まらない毎日でした。ただただ、彼女がいない世界が訪れるのが怖かった。今も、いない世界に慣れてしまうのが怖い。彼女の些細なしぐさを、匂いを、声を忘れてしまう自分が許せない気持ちがある。


そんなとき『猫がいなけりゃ息もできない』という本を知り、彼女との日々を、ちょっとずつ記しておこうと思いました。記す場所としてこのブログが適切なのかわからないけれど、あまり他には思いつかない。



しばし、猫、時々法務という感じのブログになりそうです。

「法務×コンサル」から考える。

2018年の法務系Advent Calendar、始まりましたね。毎年、皆さんのエントリを楽しみにしながら年末進行と格闘しております。今年は、プライベート面でパズルのピースがひとつでもずれたら大崩壊のような日々を過ごしており、穴をあける可能性もあったので参加は見送りました。で、法務色が薄くなった私には、日々のエントリがとても刺激的なので、時間があるお昼休みには、皆さんのエントリを読んで感じたところなどを不定期に呟いていこうかなと思っております。

さて、2日目の「法務×コンサル【法務系Advent Calendar2日目】」を読んで感じたことをちょっと呟いてみます。

法務キャリア7~8年目の頃、通常の依頼案件だけで時間が占められる状況に「これは、何かが大きく違う」と感じ、サバキ仕事だけでは価値がない、事業部より先に、事業部の課題を見つけ、具体的に提案し、Closeまで持っていかねば!と比較的若い私(当時。)が生意気にも事業部の部長を捕まえプレゼンしたことを思い出しました。

その頃、ユーザー対応をしている部署では、ユーザーからの苦情への対応に四苦八苦しており、法務としてもユーザー部門からの依頼は緊急案件として、かつ時間ボリューム的にもかなりのウェイトを割いて対応していました。…が、苦情の対応、さらには提訴をちらつかせている相手に対する対応というのは、精神的に結構来るんですね。年に数件も重大苦情が寄せられると、さすがに「さばく」だけでは対応が追いつきません。かつ、同時に同じ部署のECサイトでも、ユーザー対応に苦慮しておき、これはちゃんと対応が必要だろうと、部長をつかまえたものです。
法務に寄せられる案件の件数推移(法務のリソースのうち、何%をユーザー部門に割いているかも含め)、各案件に共通する特徴と対応、対応スタッフの状態(対応スキル、苦情処理に対する疲弊感等)、市場のユーザーの変化(その頃は、「苦情の2007年問題」などと言われていました)等を踏まえ、今後の解決策として、スタッフレベルの底上げやチームとしてのレベルアップと会社としての方針策定などをまとめ、数年かけて実行していったものです。

↑文章にしてみると、大したことをしていないなぁ…と思いつつ、それでも事業部門の利益に適うことを本気で考え、稚拙ながらも色々とデータや図表をつくって分析し、法務的な観点から問題を構造化するなどして、立場を超えて偉い人に具体的な提言すること、ちょっとドキドキしました。求められてもいないのに一方的に売り込むなんて、当時社内ではほぼ見かける光景ではなかったのです。

近年、私自身が法務だけではなく色々な業務に携わるようになり、コンサルタントの方々のお力をお借りすることも大きく増えました。私が関わったコンサルタントの方は、ちょっと異色で、パワポの成果物を受け取ることはほぼないのですが、“誰よりも、クライアントに寄り添う。結果、誰よりも傷つく。”を体現しており、いつも、その姿勢から、法務パーソンとしての姿勢を考えるきっかけをもらっています。その人に会うときには、いつもちょっと怖いです。でも、どうしても会って話がしたくなる。

最近、法務業務でコンサル的な提案をまったく実行できておりません。パワポが万能ではありませんが、パワポ1枚に凝縮して、その事業部の今と将来を語れるのか?というくらいに、いつもいつも相手に何を渡すのかを考えたいものです。
法務として、“会いたくなるけれど、会うのがちょっと怖い。でも、やっぱり話がしたいよね。”という存在を目指し、事業部や経営層へ全力で片思いをして、結果傷つくということをちょっとでも実現していきたいなと思ったのでありました。


原エントリとはちょっとずれてしまいましたが、「法務×コンサル」というフレーズから色々な思いが浮かぶこととなり、Nakagawaさんに感謝です。

4月4日に思う。

今日から、次女も学童クラブに通います。朝、「がうどうに、いきたくない〜。。」とメソメソしていましたが、今頃、長女とお弁当を食べている頃でしょうか。今日のお弁当は私がメインのおかずをつくり、夫が卵焼きとウインナーを焼き、長女が詰めた、連携プレーの作品です。初めて長女が学童クラブに通う頃の、みんながなんとなく不安を感じていた日(→「新しい1日」)から、チームとして随分月日が流れたのだなと思います。4人と1匹というチームでこの日を迎えられたことに、しみじみと幸せを感じます。


長女は6年生、次女は1年生。人生において、ステージが大きく変わる瞬間は多々あると思いますが、入学するとき、仕事を始めるときがその大きなものではないかと思います。父と保育園に向かい、お友達や先生と、泣き、笑い、母と一緒に帰るという生活から、自分の足で歩く生活への転換です。ときには苛烈に厳しくしながらも、基本的には甘えさせて育ててきた次女なので、少々…いや、かなり心配ですが、この心配を飲み込む力を私自身が身につけないといけないと、あらためて思います。 


一昨日、会社でも入社式を迎えました。一番若い社員は、随分長女の歳に近づいてきました。入社の日、それは、人事も扱う身としては、親御さんからバトンを預かり、長い間背負ってきた荷を降ろしてもらう日でもあると思います。いつか親御さんに出会えるならば、親御さんも知らない、彼女、彼らの素敵なところを100個は語れるように。ド緊張する彼らを思いながら入社式の夜に、思った次第です。



この1年、私自身、どうしようもなく苦しい涙も、嬉しい涙も、たくさんありました。笑顔の裏に大きな悲しみや苦しみを隠している人も多いのだろうと実感しながら過ごしてきました。


できるならば、嬉しい涙を多く流せる人生でありますように。新たな一歩を踏み出す娘を思い、そんな未来を創るために砂粒ほどの貢献ができるように、日々を重ねていきたいものです。

法務出身、総務・人事なんでも屋の悩み 〜相談・通報への対応〜

「法務系AdventCalendar2017」 のエントリです。)


元々取引法務をメインとしていた私ですが、数年間から法務以外の業務も行うようになり、総務・人事業務比率が高まったな…と思ったら、今年は苦手分野のコーポレート系業務も降ってきました。この数年、純・法務業務は政治案件(?)以外、ほぼメンバーに任せているのですが、そのような中で緊急に時間を割かざるを得ないこと、それは内部通報や人事へ寄せられる相談の対応です。
今回のエントリは、人事も所管する、相談・通報窓口担当者の対応の流れのひとつのサンプルとそれに伴う悩みを書いてみました。法務スタッフが通報窓口担当になることも多いだろうと思いますが、人事側から法務の役割も見てみたという感じでしょうか。

1. 相談の種類

相談の種類は単なる人間関係の悩みというか、愚痴のレベルから不正の告発まで様々です。おそらく多くの通報・相談窓口担当の方は、「こんな愚痴のような相談もか…」と思いながらも、その相談の奥に何らかの問題があるのではないかという思いを持ちながら、真摯に対応をされているのではないかと思います。最近の傾向としては、ハラスメント系の相談が増加していると感じています*1

2. 相談の契機

人事も担当するようになって知ったのが、人事から法務に相談する件は、氷山の一角だということ。内部通報窓口への通報であり、法務スタッフも窓口担当であれば、当初から法務の知るところとなりますが、それよりもずっと多いのが非公式な相談・通報です。

  • 内部通報窓口への通報
  • ハラスメント窓口への相談
  • 会社への具申制度を利用した相談
  • 人事担当者への非公式な相談
  • 人事担当のヒアリング時の相談


また、積極的に相談が寄せられなくとも、人事は社員の変化の兆しをデジタルでもアナログでもウォッチしています。変化から声をかけ、何かしらの問題が発覚することもあります。

  • 人事が管理するデータに基づくフラグ 〜時間外勤務の増加、欠勤の増加、その他人事が行う定点観測データ
  • “なんとなく、おかしい”というフラグ 〜口コミ情報。
  • 新入社員、休職明け社員、異動直後社員などなど 〜不安を感じやすい環境にある社員

3. 相談の対応

相談があった場合には、以下のように対応しています。フルコース調査が必要な場合は、当初から法務スタッフにも声をかけることもありますが、より簡易的な場合、特に情報の非公式性が高い場合は、ある程度の調査が終わった段階で追加調査前に念のため声をかけ、懲戒処分を行った場合に処分対象者が納得できずに、または逆に行わなかった場合に通報者が不満を持って、後々トラブルにならないように…というところを一緒に検討します(現状の私の場合、法務も人事もカバーするので、人事と法務で役割の切り分けも何もないのですが)。

  1. 相談内容の把握
  2. 調査チーム編成(利害関係人の排除、調査対象との関係からより“黒子的”に動けるメンバーの選抜等)
  3. 上席への第一報(会社規模により、担当取締役、社長まで様々?)
  4. 初動調査(簡易的な客観データの収集、周辺ヒアリング等。調査の範囲・時期等は相談/通報者に事前告知)
  5. 中間検討(初動調査を踏まえて、弁護士への相談、本人への聴取等)
  6. 本格調査(より広範な客観データの収集、周辺ヒアリング)
  7. 追加調査(本人への聴取を受けて、弁明の裏付け調査等)
  8. (結果によっては)懲戒処分(懲罰委員会の開催等)

4. 対応上の悩み

(1)動くと目立つ
「“黒子的”に動けるメンバー」と書きましたが、「法務」のイメージが濃い社員が動くと、目立つものです。ハラスメントの当事者以外に周辺ヒアリングを行おうと思っても、“何か法令違反をしてしまって、呼び出されたのか?”とひやひやさせてしまうことも多々あります。

(2)ヒアリングの難しさ
例えば経費の不正支出の場合には、事実ベースでの確認になりますが、ハラスメントの場合には、いつ、誰が、どんな発言をしたなどの事実のほかに、それを聞いてどう思ったか、自分なら耐えられるか、厳しい発言でもやむを得ない事情があると思うかなどの感情も確認します。事実ベースのときにはメモをとることに抵抗はないですが、感情を聞くときに、せっせとメモをとると話しにくいだろうということで、一通り聞いてから、忘れないうちに一気にまとめるというようにしています。法務に寄せられる、取引の相談事案でヒアリングをするときとは臨む姿勢が違うといいますが、話しやすい雰囲気作りに配慮しながらも、共感しすぎず、ニュートラルを保つ…思いのほか難しいです。
また、ヒアリング協力者から、思わず人間関係上の相談を受けることもあるのですが、「黒か、白か、グレーでも違法に近いか否か…」という発想をしてきた身には、玉虫色というなんともいえない曖昧さを飲み込む力が足りません。グレーはまだ単色なので扱いやすい。複数人の様々な感情が混ざり合う案件は、人間力を問われている気分です。

(3)懲戒処分
懲戒処分を行うこと、ハラスメント関連の場合、明確に法令違反となる不正の場合と異なり、常に悩ましい思いがつきまといながら、進めます。ここで特に、平等性と相当性に悩みます。平等性については社内の過去の懲戒処分との比較をするほかないのですが、懲戒処分の過去件数が多くない場合には少々苦慮します。「処分見送り」ならまだしも、懲戒処分のための会議体にかけることすらも見送られた場合の記録がない場合には比較が難しい。今は、DBを作成し、些細な案件でも「処分検討見送り」の記録を必ず付すようにしました。

(4)担当者の疲弊感
個人のドロドロとした主張を受け続けて、感情に飲み込まれそうになるとき、個人の非常にセンシティブな情報に触れざるを得ないとき、どれだけ主観を排除し、客観的に公平だろうと思われる判断を下しても、禍根を残すことにならざるを得ないとき…これらが続くと窓口担当者の疲弊感が蓄積します。弁護士や法務への相談は、処分の根拠を固めるため、間違いの少ない対応をするため、というリスク管理の観点もありますが、窓口担当者の背負うものを少し軽くするためでもあると最近思うようになりました。なので、弁護士には、簡単にでも、なるべく相談するようにしています。

5. 思うこと

法務として、内部通報窓口に対応するとき、人事から相談されて対応するとき、そのときは「法的な正しさ」を中心に検討することになります。法に抵触するのか否か、後々紛争に発展する可能性は、その場合の勝ち目は、金銭的負担の程度は。
これに対し、人事は処分後の対象者の将来も配慮します*2。企業人にとって懲戒処分は、相当な重みを持つものですが、処分後にリスタートし、本人も周囲も活躍することまでを考える。いわば、処分からのスタート。単に、“再発防止として、ハラスメント研修への出席を指導しました”ではなく、例えばパワハラならばどのようなタイプで発生し(マイクロマネジメント型、叱責型、ネグレクト型…)、処分対象者本人の本来の強みは何で、今後どのようなアクションによって本人が内心から変化するかを考えます。非常に悩ましく、正解のない問いをぐるぐる回す。処分の根拠となること≒正しさを伝えつつも、一方で正しくはないかもしれないけれど、こう考えた…をいかに経営者や本人に伝えるか。この両面を併せ持つことが現在の課題であります。


毎度ながら悩みのつぶやきエントリでした。次は、@legalcatxxx さんですね!

*1:Business Law Journal 2017.3月号の「紛争リスクの高い労務トラブルへの対応」の5社の記事からもハラスメント系の相談が増加していることが垣間見えます。

*2:法務としても、もちろん配慮するでしょうが、求められていることはやはり違うかと。

あけましておめでとうございます。

遅ればせながら、あけましておめでとうございます。
本日、仕事始めですが、2017年の目標はまだ確定せず。

2016年、上半期は会社の大きなうねりに乗って、なんとか“こなす”ことが精一杯で、下半期は人事分野の大きな課題をクリアすることができず、何もできなかったという思いが強い1年でした。流れに乗らねばならない時期もあるとは思い、流れの中で自分の意思を反映すれば何かしらの意義を見つけられるのではないか・・・とも思ったのですが、起点に自分の意思があり、そして達成にまで到達しない限りはモヤモヤしか残らないのだなと、今もモヤモヤしています。


今年の思いは今のところ3つ。


積読解消」


「戦友獲得」


「減量必達」


リアルにも積読を解消したいですし、精神的にも積読状態から脱却せねばなりません。そして、自分自身が自分の戦友になれるくらいに、誇れるものの欠片を手に入れる1年にしたいと。法務の現場から離れることが多く寂しさも感じるこの頃ですが、今の置かれている状況から法務を眺めて違う視点から実行することもまた大切だと感じています。


そのうえで、体重は3キロ減らしたいと思うのであります。


みなさまにとってよい1年になりますように。

「まさか?!」の探し方。

@dtkさんからマイクをいただきました。手のひらの歌詞をカンペに階段を降りたいと思います。
さて、無謀にも今年も登録してしまった「Advent Calendar」。法務:人事ほか=3:7くらいの現状ですから*1、新しいネタを仕込むこともできず、新人法務スタッフ向け的エントリになりました。「とある会社の、とある法務担当が行っていること」をまとめてみましたよ!

今期、法務にめでたく新入社員が配属され*2、順調に業務を進めてもらっているのですが、契約業務というよりも新企画の取引やリスクのトータルデザインがなかなか難しいのかなと思われます。ということで、リスクの抽出は、場所や時を“動かして”考えてみてはどうでしょう、というテーマです。契約業務といっても契約書ドラフト・レビューそのもので「違い」を生むことはそう簡単ではなく、契約以外のところに手当をどう密かに仕込んでおくかに業務の比重が移行しているように思われます。


完全なる当社比、かつ主観で申し訳ありませんが、この数年、法務案件でも“vuca”を痛感しています。不安定で変化が激しく(Volatility)、先が読めず不確実性が高い(Uncertainty)、かつ複雑で(Complexity) 曖昧模糊とした(Ambiguity) 世の中と言われますが、法務に寄せられる企画案件もまさにそのもので、以下、最近メーカーの法務として感じている傾向です。

<メモ>
・ハードウェアではなく、サービスが主役化している。
ハードウェアは「入口」であり、極端に言えば単なる「箱」であるものも多い。SPOT売買+保証期間で御免!では成立せず、サービスをいかに継続するかが重要ポイント。
・当事者が複雑化している。
ハードウェアベンダー、ライセンサー、生産外注先、開発外注先、販売会社、最終顧客・・・という従来の当事者に加え、最近ではスマホアプリも当然に必要だったり、サービサーが複数登場したり、かつそれらが従来以上に有機的に連動しているため、どこか1社の業務が停滞したときの影響が大きい。
プラットフォーマーの変化が激しい。
スマホアプリがその典型ですが、OSが頻繁にアップデートされたり、密かに細かな仕様が変わったりするため、ソフトウェア開発完了で契約完了、とはいかない。いかに他社の力も借りながらG社さんなどの細かい動きに遅れずについて行き続けるか。

さて、そんな中で手を事前に打って事後の「まさか?!」をつぶしておくか。

(1) 流れの中のリスクを把握するために、線をつなぐ。

【横】

取引のパーツを横に動かします。当事者相関図を書き、そこに人・モノ・お金・情報・権利・サービスを流していきます。この際、最上流から最下流、派生する関連企業・再委託先まで丁寧に拾っておき、欄外に脅威となりうる特許権者も書いておきます。全体の流れの中で、自社のみがリスクを負うことにならないか、適切に分配できるリスクはないか。価格にONせざるを得ないリスクはないか。これは、大きなリスクを拾う作業になりますね。

<コツの一例>
・資本金は必ず、場合によっては社員数や親会社も記載します。「下請事業者だったの?!」「エースエンジニア欠いたらどうなるの?!」と後から気づくとげんなりすることも。
・実際には多数の交渉が同時並行で進みますが、その中でもこの会社からこの保証を得られない限り、他の交渉を進めてはいけないというポイントをおさえます。
・社内担当の名前も記載します。社内担当がハードルそのものということもあります。
・それぞれの当事者に吹き出しをつけ、その人になりきったつもりで台詞を書いています。ユーザーの年代、性別、使用するシーンとその感情・・・などを考えると製品への期待値がイメージできるので、下流から上流に再度戻るヒントになることもあります。

【縦】

時系列で取引のより細かいパーツを流します。主要な当事者と自社の関係を、発注から納品、アフターサービスまでを動かしてみます。いつ、どんな帳票を動かして、どのように受領して、どう梱包して発送するのか。個人情報はどうやって受け取って、どう加工していつ廃棄するのか。小さなリスクを拾う作業です。事業部はモノ・お金は書いてくれても情報を落としがちなので、情報の一生は必ず念頭に起きます。

(2) 点に対する時の変化を想像する。

流れの中で起き得る「まさか?!」を把握できたらば、点で考えます。静かに、じっくりと。

【ヒト】 〜この人、「まさか?」の種を持っていないか?

当事者図の中で、変化が大きそうな人はいないかを考えます。特に最近気になるのが、小さいけど良質の技術を有している会社。財務基盤が脆弱だからと避けていては、リスクヘッジのためにと商社等を介在させていては、スピード面からも他社との違いは生み出せない。経験上、痛い思いもし、怖いなと実感するのは、利用権の登録制度がないソフトウェアのライセンサー/開発ベンダーです。仮にソフトウェアベンダーが倒産したり事業が停止したりしても、自社ビジネスを止めないために色々と検討します。

<検討メモ>
ソースコードおよびその関連ドキュメントの権利を確保する(全部の譲渡/一部譲渡/共有)*3。この際、既にSofticに譲渡や質権設定等が登録されていないか、必ず確認する。
・Softicへ登録する(二重譲渡の危険性がある場合は特に。)。
・カスタム開発の場合、コード上も従来部分とカスタム部分を明確に分け、後者のみ権利譲渡を受ける。
ソースコードの現物を確保する。※開発途中でも段階的に確保。
・少なくともエスクロウ制度を使って最低限バグ修正はできるようにしておく。
・以後、自社で改変しやすいコーディングにしてもらう*4
・一括ライセンスにする。「未履行」と主張されうる条項は別契約にする。
・代替可能な他社との契約準備を平行して進めておく。     ・・・などなど。

権利を確保するという法的な側面と、自社で改変可能にしておくという実態をにらんだ側面の両方を意識しておくことが大切なのかなと。他にもまだまだあると思うので、案件発生の度に他に対策はないか?を考え続けています。あ、この際、下請法の配慮も忘れずに。

【モノ】 〜この「モノ」、誰かの「まさか?」を生まないか?

ユーザーの期待値との乖離を生まないか。社内から新規ビジネスの相談を受けた時点で、たとえそれが契約書の相談であったとしても、踏み込んで製品パッケージ、取説、広告媒体などの企画もあわせてチェックします。この際、リアル店舗ECサイトで品定めをするところから、パッケージを開けて実際に電源を入れて・・・という一連の流れを想像します。その際に、ターゲットユーザーの「ん?」が生まれないか。
上述の通り製品といっても長期サービスが付帯することも増えてきたので、現在のユーザーとともに、製品耐用年数から考えられる将来のユーザーや市場の期待をイメージしています。未来から今を見る感じでしょうか?「現在5歳のお子さんがいるユーザーの5年後の親御さんの期待は?」「5年後にこの製品の廃棄ルールはどう変わりそう?」などなど。製品クレームは数年後に炎上することも多かったりするので。



事前に未来の「まさか?!」を把握して手を打つことで、取引できる企業の幅が増えたり、実現できるサービス範囲が広がったらば。きっと法務担当の皆さんは同じように考えているんじゃないかなぁと思いながら、いつもながら最新トピックも何もない徒然エントリを書いてみました。
まさに現状書けることを書いてみただけなのですが、こういうのもきっと、ありなはずです(・・・よね?)。では、猫科つながりで明日はタンザニアネコさん(@Tnatz2010 )へ!

*1:当初、「法務と人事の間で」的なエントリを考えていたのですが、Advent Calendar 初日から法務キャリア論が盛り上がっているので、ちゃんと考えてアップしようと思います。

*2:しかも待望の法務女子!地方で法務女子はわりとレアキャラです。

*3:契約書で考えられる対策として、著作権全部の譲渡/一部の譲渡/持分の譲渡/複製権等、必要な権利の持分譲渡など。ただし、未履行の双務契約として契約そのものを解除されることもあるため、牽制的意味合いにとどまるかもしれません。

*4:これは契約書を作成するときにも通じるかもしれません。後々修正しやすい条項の建付けとしておくという配慮、皆さんされていますよね。

4月1日に思う。

相変わらずブログは放置ですが、3年前には4月1日にエントリを書いていました(→「新しい1日。」 )。
このところもドタバタしている日々ですが、お昼休みにブログを読むことができるくらい、今週はちょっと「狭間」な感じです。


3年前に1年生だった長女も、今日から4年生。「明日から新しい1年生が学童にくるんだよ!」と話す長女の顔はすっかりお姉さんのそれでした。「じゃあ、しっかりお世話してあげないとね。」と言うと、当然よねという顔をする。
次女は年中さんになりました。教えないでおこう、「文字」を認識しない世界を少しでも長く…という親の思惑とは裏腹に長女に教えを乞い、本も自力で読み始めるようになった次女。

たくましさは育てるものではなく、人間に内在するのもなんだなと思います。



会社では、本日が入社式。初々しい彼ら・彼女たちです。
「始まりがあるから終わりがある。私は今、始まりに立っている。」そんなコメントも若い彼女たちから出たのですが、終わりがあることを知っているからこそ今が美しく、愛おしいのではないか、そんな風に感じました。
今日は「あさが来た」を見て、号泣してから出社したからかもしれません。



さて、残り半分の2016年4月1日を大切に、丁寧に。