脱!規約スランプ

新サービスのmtg.を終え、規約を作りながら思うこと。やはり、本腰を入れて取り組むべきだろうなと。

先日のエントリにも書いたように、規約の苦手意識の原因としては色々あるのですが、事業部門と一緒にサービスを「カタチ」にする過程の難しさにあるのだろうと思います。幸いにも、「良いウェブサービスを支える『利用規約』の作り方」で掲載されている雛形がダウンロードできるようになりましたので*1、様々な点でかなり参考にさせていただいております。


ただ、問題はサービスの根幹をなす実体条項。
ハードウェア製品と異なり、形のないサービス商品。事業部門の担当者が描いている「サービス」をしっかり理解しないことには規約等によるリスクコントロールも見当違いの方向に向かってしまうので、このあたりのすり合わせ作業をしっかり行わねばと痛感しています。サービスの実体を可能な限り具体的に聞き出して、規約等で依頼者の気付かなかった点まできめ細やかな配慮を行ってこその法務かと。
このサービスこそ画期的!と思っている依頼者に、サービスを詳細に説明してもらい懸念していることを吐き出してもらうこと、実は大変だったりします。Webサービスが本業の企業であれば、製品開発書=サービスの設計書でしょうから、サービスの内容を整理することはあまり困らないのかもしれません。サービスが本業ではない企業の場合、難航することもしばしば。


さて、どうするか。
まずはヒヤリング前に規約の素材集めをきちっとしようかと思います。以下はごく当たり前の内容なので、あくまでも自分のための備忘録としてメモしておきます。


そもそも、規約の素材になるものってなんでしょう? 今のところ、以下を事前に入手してからヒヤリング→規約ドラフトの流れがよいのだろうかなとぼんやり考えています。

  • 「ヨコ」の図(全当事者相関図)

まずは、最上流から最下流までの全当事者を俯瞰した図が必要かなと思います。規約はサービス提供事業者とユーザーの関係を規律するものですが、サービスのリスクをおさえるツールの一つが規約であるに過ぎないわけで。委託先があるとしてどこなのか、下請法の適用を受けるのか、契約は締結済みなのか、これからなのか。対ユーザー以外のポイントも最初に確認しておかないと、“何はなくとも、まずは規約。”となり、間際でヤバッ!となりそうな気がしているこの頃です。

  • 「タテ」の図(サービスフロー)

現実のフローと規約上の流れがきちっと合う必要がありますが、規約が先行してきれいな文章が完成すると何となく“できあがった感”が依頼者に漂い、細部のずれを見落とす気がします。ざっくりとでもよいのでフローをもらい、フロー上の各ポイントの5W1Hを具体的に聞きながら精度を高めていくというSTEPが大切かなと。

  • 説明画面

ハードウェアであれば取扱説明書にあたるところでしょうか。実際、規約をきちんと読んでくれるユーザーの方が少ない訳ですから、重要事項は説明画面に記載し、かつ規約と矛盾のないことが必要。画面の内容はサービスインの直前まで変わることが多く、最終的に「あれ?」と、聞いていた内容と違うことになりかねず。

  • 申込画面

ここで確実に同意を確保することが重要ポイントなのですが、意外とその意識が低いことも。申込画面までにどのような画面を経て辿りつくのか、どうやって規約を埋め込んでボタンはどのあたりに配置する感じなのか、イメージでも構わないので最初の段階で聞いておきます。

  • 関係者契約書

サービスの委託先との契約に思わぬ免責文言があることも。サービス内容にあわせて委託先との契約を変更するのか、規約に反映するのか。早めに確認しておきます。

  • 類似サービスの規約(規約サンプル)

新サービス思いついたり!だとしても、サービスの各パーツは既存サービスや類似サービスが存在し、組合せこそが新アイデアだったりすることも多いように思います。ズバリの他社規約がなくとも、パーツの規約サンプルを数多く眺めると、自社にとって初めてのサービスでも市場の相場感がわかったり、気付いていないリスクを発見したり、何かと得られるものが多いはず。



そして、素材を集めた後にどのような手順で進めたらよいものか。「脱!規約スランプ」への道、すわなちサービスをうまく「カタチ」にするための試行錯誤、まだまだ先は長そうです。