少数法務としての情報発信

dtkさんのアウトプットの重要性 - dtk's blogを拝読して。

自分の勤め先以外での価値とかを考えるうえでは、勤め先の外への発信という方が面白いと思う。だから、企業法務の方々も、もっとblogとかを通じて発信しても良いのではないかと思うのでした。特に、法務を一人でやっていて、社内での刺激に飢えている人にはオススメ、という気がしています。

人気の法務系ブロガーさんのblog内容は私にとっては「ハイスペック」。 いつもblog内容を参考にさせていただいていますが、自分が書ける内容ではありません。でも、思うところがあり「ロースペック法務でも情報発信していいのではないか」と方向転換をしました。

私の場合はいわゆる「一人法務」ではないのですが、少数法務であることに間違いはありません。やはり地方企業で10人以上の法務を持っているところはそうそう多くないのではないかと思います。少数法務ならではの苦労を書いても、それはそれで意味があるかしら?とおずおずと書き始めています*1


そう考えていたとき、ツイッター上で法務が情報を発信することについていくつかのツイートがあったのでその一部を引用してみます*2

(原ツイート)
法務パーソンは大手かつポジション高くなる程ブログ書け(か)ないの法則はある。優秀で経験のある方ほど黙らざるをえない。
(別ツイート)
例えば、繊維に強い商社法務のポジション高い方だと「イタリアにきてます。ピザおいしい!」って書くのも憚られる(本当はプライベートでも)。

blogで書いてもOkそうなネタを探すのは結構大変です。書きたいネタほど書けないし。

そうなのかー。他の方のツイートを見ても法務が情報発信することについてはとても慎重。確かに、具体的案件についてはもちろん書けません。そして、今どこにいるのか、何を勉強しているのかといったようなプライベートなことであっても、書くのが憚られる場面、確かにありますね。守秘義務への配慮は法務だけではなく経営企画部門の方も同様だと思うのですが、法務だからこそのセルフリスクマネジメントという印象を強く受けました。


でもでも、blogにてdtkさんが

守秘義務とかの制約はあるけど、自分のことを棚にあげて言えば、伝えてはいけないことが伝わらないようにしつつも、伝えたいだけが伝わるようにする文章を書くことだって、法務としてのスキルとしては、重要だと思う(変な誤解を避ける意味でそういう配慮がいる状況はそれなりにあると思う)。そういう訓練にもなるかもしれないのだから。

とおっしゃるように、守秘義務に配慮しつつ情報をオープンにする訓練をしていこうと思います。



「ITエンジニアのための契約入門」を共著されている4人のブロガーさんをはじめ、法務系blogを書かれている方のblog内容、会社の守秘義務には触れていなくてもご自身のノウハウ・情報をもったいぶらずにオープンにされていらっしゃる印象を受けます。社内に閉じておけば、それ自体で価値があり競争力のある情報だと思うのですが制限なく提供されている姿勢にいつも感謝!


ツイッターの発言やフォロー内容をたどれば社名が推測されるという状況下で情報を提供するリスクも確かにあるとは思いますが*3、ロースペック&少数法務だからこそ、アウトプットを継続しないとスキルはあがらない! ひとまず細々と継続することによって「ミドルスペック法務」くらいに辿り着きたいなぁと思ったのでありました。

*1:まだ全然進んでないけど…。

*2:ツイッター上の発言の引用方法がよくわからないので、失礼がありましたらご容赦ください。

*3:「あの会社の法務担当のレベル、こんなもんか。」と思われることが1番のリスクだったりして…。いや本当に。