「法務×コンサル」から考える。

2018年の法務系Advent Calendar、始まりましたね。毎年、皆さんのエントリを楽しみにしながら年末進行と格闘しております。今年は、プライベート面でパズルのピースがひとつでもずれたら大崩壊のような日々を過ごしており、穴をあける可能性もあったので参加は見送りました。で、法務色が薄くなった私には、日々のエントリがとても刺激的なので、時間があるお昼休みには、皆さんのエントリを読んで感じたところなどを不定期に呟いていこうかなと思っております。

さて、2日目の「法務×コンサル【法務系Advent Calendar2日目】」を読んで感じたことをちょっと呟いてみます。

法務キャリア7~8年目の頃、通常の依頼案件だけで時間が占められる状況に「これは、何かが大きく違う」と感じ、サバキ仕事だけでは価値がない、事業部より先に、事業部の課題を見つけ、具体的に提案し、Closeまで持っていかねば!と比較的若い私(当時。)が生意気にも事業部の部長を捕まえプレゼンしたことを思い出しました。

その頃、ユーザー対応をしている部署では、ユーザーからの苦情への対応に四苦八苦しており、法務としてもユーザー部門からの依頼は緊急案件として、かつ時間ボリューム的にもかなりのウェイトを割いて対応していました。…が、苦情の対応、さらには提訴をちらつかせている相手に対する対応というのは、精神的に結構来るんですね。年に数件も重大苦情が寄せられると、さすがに「さばく」だけでは対応が追いつきません。かつ、同時に同じ部署のECサイトでも、ユーザー対応に苦慮しておき、これはちゃんと対応が必要だろうと、部長をつかまえたものです。
法務に寄せられる案件の件数推移(法務のリソースのうち、何%をユーザー部門に割いているかも含め)、各案件に共通する特徴と対応、対応スタッフの状態(対応スキル、苦情処理に対する疲弊感等)、市場のユーザーの変化(その頃は、「苦情の2007年問題」などと言われていました)等を踏まえ、今後の解決策として、スタッフレベルの底上げやチームとしてのレベルアップと会社としての方針策定などをまとめ、数年かけて実行していったものです。

↑文章にしてみると、大したことをしていないなぁ…と思いつつ、それでも事業部門の利益に適うことを本気で考え、稚拙ながらも色々とデータや図表をつくって分析し、法務的な観点から問題を構造化するなどして、立場を超えて偉い人に具体的な提言すること、ちょっとドキドキしました。求められてもいないのに一方的に売り込むなんて、当時社内ではほぼ見かける光景ではなかったのです。

近年、私自身が法務だけではなく色々な業務に携わるようになり、コンサルタントの方々のお力をお借りすることも大きく増えました。私が関わったコンサルタントの方は、ちょっと異色で、パワポの成果物を受け取ることはほぼないのですが、“誰よりも、クライアントに寄り添う。結果、誰よりも傷つく。”を体現しており、いつも、その姿勢から、法務パーソンとしての姿勢を考えるきっかけをもらっています。その人に会うときには、いつもちょっと怖いです。でも、どうしても会って話がしたくなる。

最近、法務業務でコンサル的な提案をまったく実行できておりません。パワポが万能ではありませんが、パワポ1枚に凝縮して、その事業部の今と将来を語れるのか?というくらいに、いつもいつも相手に何を渡すのかを考えたいものです。
法務として、“会いたくなるけれど、会うのがちょっと怖い。でも、やっぱり話がしたいよね。”という存在を目指し、事業部や経営層へ全力で片思いをして、結果傷つくということをちょっとでも実現していきたいなと思ったのでありました。


原エントリとはちょっとずれてしまいましたが、「法務×コンサル」というフレーズから色々な思いが浮かぶこととなり、Nakagawaさんに感謝です。